「複利は人類最大の発明である」——この言葉は、かの有名な物理学者アインシュタインの発言とされるものです。
一見地味に見える投資手法「複利」ですが、長期的に見ると想像を超える力を発揮します。
本記事では、複利の基本的な仕組みから、具体的な数字を交えたシミュレーション、さらには複利の力を最大限に活かす方法まで、わかりやすく解説します。
資産形成を始めたい方、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す方、老後資金に不安のある方にとって、複利の理解は不可欠です。
第1章:複利とは何か?
複利とは「利息が利息を生む」仕組みのこと。
最初はごくわずかな増加でも、時間の経過とともに加速度的に資産が膨らんでいくのが最大の特徴です。
たとえば、100万円を年利5%で投資すると、1年後には105万円に。
翌年は105万円に対して5%の利息がつき、110.25万円となります。
このように毎年利息が元本に加算されていくことで、資産は雪だるま式に増加していくのです。
単利と複利の違い
年数 | 単利(万円) | 複利(万円) |
---|---|---|
0年 | 100 | 100 |
5年 | 125 | 約127.6 |
10年 | 150 | 約162.9 |
15年 | 175 | 約208.4 |
20年 | 200 | 約265.3 |
単利は元本のみに利息がつく一方で、複利は「利息にも利息がつく」ため、長期で見るほどその差は圧倒的になります。
第2章:72の法則でわかる複利の凄さ
「72の法則」とは、資産が2倍になるまでにかかるおおよその年数を簡単に計算できる法則です。
72 ÷ 年利(%) = 資産が2倍になる年数
たとえば、年利5%で運用する場合:
72 ÷ 5 = 14.4年
つまり、約14年で資産は倍増します。年利10%なら7.2年、3%なら24年かかるということになります。
このシンプルな法則は、複利の力を直感的に理解するための強力なツールです。
特に長期投資においては「いかに早く始めるか」が成果を大きく左右します。
第3章:積立投資で複利の力を実感しよう
複利の効果は、毎月の積み立て投資でも存分に発揮されます。
以下に、毎月1万円・5万円を年利5%で20年間運用した場合のシミュレーションを示します。
※ 年利5%は、S&P500などのインデックスファンドにおける長期的な平均利回りを参考にした仮定です。
積立額/月 | 元本(万円) | 利息(万円) | 合計(万円) |
---|---|---|---|
1万円 | 240 | 172 | 412 |
5万円 | 1200 | 860 | 2060 |
利回りが同じでも、積立額が大きいほど複利効果は顕著に現れます。
さらに、3万円や10万円などでシミュレーションを行うと、自分の状況に合わせた無理のない目標設定がしやすくなります。
第4章:複利の力を最大化する6つのポイント
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早く始める
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時間こそが最大の武器。20代で始めた人と40代で始めた人とでは、結果に大きな違いが出ます。
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継続する
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金額よりも「続けること」が重要。複利の恩恵は長期的な積み重ねでこそ発揮されます。
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利回りを意識する
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5〜7%の安定した利回りを目指し、インデックス投資や高配当株を活用しましょう。
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再投資を徹底する
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配当金や利息も再投資することで、複利効果を最大限に活かせます。
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手数料を抑える
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信託報酬などの手数料は長期では大きな差を生みます。できる限り低コストの商品を選びましょう。
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投資環境を整える
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家計管理、緊急資金の確保など、無理のない投資計画が継続の鍵です。
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第5章:複利で変わる未来——今こそ始めよう
「投資は早く始めるほど得をする」。これは単なる格言ではなく、複利という仕組みの本質を突いた真理です。
誰もが最初から大きな資金を持っているわけではありません。
しかし、小さな一歩も、時間と継続という力によって、やがて大きな成果を生み出します。
実際にFIREを達成した人々の多くが、若いうちからコツコツと積み立てを行ってきたという事実が、それを証明しています。
「今はまだ早い」と思っている方こそ、今日この瞬間がスタートラインです。
おわりに:ツールを活用して計画的に始めよう
💡 参考:複利計算ツール
「複利 計算 シミュレーション」などで検索すると、無料で使えるツールが多数あります。
証券会社が提供している運用シミュレーターも活用し、自分に合った投資計画を立てましょう。
複利の力は、あなたの未来を確実に変える武器になります。
小さな行動から大きな変化を生む、その第一歩をぜひ今日から踏み出してみてください。